京都にも、いよいよ待ちに待った春が訪れようとしています。春は不思議と、どこかへ出かけたい気分になりますね。
京都伏見稲荷大社にお越しの際は、千本鳥居を抜けた先、お稲荷さんのお山巡りがオススメ。「本殿と、千本鳥居までは行ったことがあるけれど」という方、多いと思います。ですが本来、お稲荷さんはこの稲荷山にあったのです!
山頂の一ノ峰まで約1時間、途中の四ツ辻から京都の街並みを眺めながら茶店でひといきつくのもよし、ご朱印を頂けるお社目的で回るのもよし!道中、個性あるお社が点在し、ひとつひとつのご利益や言い伝えを見るのも楽しいです。
伏見稲荷大社は昨今、海外からの観光客も多く人気のスポットです。活気づく麓付近と比べ、稲荷山頂付近は少し人の流れが落ちつき、清々しい空気の中でお山巡りを満喫することができます。
比較的軽装でも大丈夫な、ハイキング初心者の方にもおすすめのコースです。
<おすすめハイキングルート>
所要時間:約3時間
距離:約6㎞
- 【1】JR稲荷駅
- 3分
- 【2】伏見稲荷大社(本殿)
- 8分
- 【3】おもかる石
- 15分
- 【4】三ツ辻
- 10分
- 【5】四ツ辻
- 8分
- 【6】三ノ峰
- 5分
- 【7】二ノ峰
- 5分
- 【8】一ノ峰
- 10分
- 【9】御劔社
- 7分
- 【10】薬力社
- 8分
- 【11】眼力社
- 7分
- 【5】四ツ辻
- 10分
- 【4】三ツ辻
- 15分
- 【12】朱 SHU.by Vermillion
- 7分
- 【13】京阪伏見稲荷駅
- GOAL!!
【1】JR稲荷駅
小さな駅ですが、近年は多くの観光客でにぎわいます。
駅を出てすぐ真正面に大迫力の鳥居がお出迎え。
【2】伏見稲荷大社(本殿)
全国に点在する稲荷神社の総本宮。国の重要文化財である社殿群が並びます。
本殿での参拝を終えて奥へ進むと、朱塗りの鳥居群が見えてきます。
圧巻の千本鳥居。延々と続く朱のトンネルは、まるで異世界へ導かれるよう。
【3】おもかる石
鳥居を抜けてたどり着いた奥社奉拝所の右奥にある、持ち上げて軽ければ、願いが叶う!?と有名な石。
正直、なかなかの重さです!運試しも楽しいですね。
「おもかる石」~「三ツ辻」までの道のりはミステリアス。
途中にある熊鷹社の絶えず燃え続けるろうそくの火は、何とも荘厳な雰囲気。
すぐ後ろにある新池、別名、谺ケ池(こだまがいけ)にも不思議な言い伝えがあります。
池に向かって手を打ち、こだまが早く帰ってくれば願いが叶うのも早いのだとか。
【4】三ツ辻
やっとここまで来ました!歩くだけなら本殿から20分程度。色々寄り道しながらだと、30分以上はかかるでしょうか。
名前の通り、三又に分かれているので、ゴールの頂上へは東側(御山参道方面)に進んでくださいね。
途中の「大松大神」はヒョウタンの形のお塚。
良縁をもたらしてくれると共にお酒の神様といわれています。
【5】四ツ辻
三ツ辻から5分程歩くと、京都の街並みが一望できる、休憩スポットに到着。
山頂付近で一番賑わいのある場所です。
ここまで来ると涼しい季節でも、よい汗をかきます。
お食事ができる甘味処があるので、お茶やスイーツでホッと一息入れるのもいいですね。
ここからのお山巡りは、右回り、左回りのどちらでもよいです。本来は左回りですが、右回りの方が後半がラクなのでおすすめ。
今回は右回り(半時計回り)でご案内します。
【6】三ノ峰(下之社)
四ツ辻の「にしむら亭」さんの横の道を南に通り、千本鳥居が続く階段を上り、到着。
白菊大神が祀られています。
ここから、貴重な三角縁神獣鏡が出土しました。
三角縁神獣鏡とは、古墳時代(3世紀から7世紀ごろ)に祭祀に使われたり、権威の象徴として大切にされたものです。
副葬品として古墳から出土することが多く、この稲荷山が古代から権力者の祭祀の場所であった可能性が高いことをあらわしています。
【7】二ノ峰(中之社)
「青木大神」、別名「猿田彦大神」が祀られています。
台座の石は霊峰富士山の溶岩でつくられているとのこと。一体どうやって運んだのでしょうか。
【8】一ノ峰(上之社)
ようやく山頂にたどり着きました!
こちらに祀られる「末広大神」は、「稲荷大神」の別名とされています。
古くより人気・芸能の神様として崇められ、商売繁盛のご加護を得ると言われています。
火焚串はノ峰の正面、末広屋で購入できます。ここだけではなく、各社でお取り扱いがあります。
お名前、もしくは社名、願い事などを書いて渡しておくと、「お火焚の日」に焚き上げられ、神様にお祈りをささげていただけます。
各社でそれぞれ「お火焚の日」が設けられています。ご利益などにより、ご自分の奉納したいお社を選んでみるのも楽しいです。
【9】御劔社(長者社神蹟)
一ノ峰から御劔社(みつるぎしゃ)までの道のりは、下り坂で少し楽になってきます。
平安時代の書物「枕草子」にて、著者の清少納言は本来の左回りで参拝し上り坂であったため、ここで苦しさのあまり膝をついたという記述を残しています。
2月初午の日、稲荷山へ参拝することが当時流行していたようです。1000年も前から人気のスポットだったのですね。現在も毎年2月上旬の第一午の日を初午とし、伏見稲荷大社では大規模な神事が行われています。
一ノ峰から10分程度歩いた先に、御劔社が現れます。別名「長者社」とも呼ばれ、古い地図には劔石(雷石)と記されます。こちらも古代より祭祀の場所であったようです。
【10】薬力社
「薬力大神」を祀るお社です。その名から察する通り、無病息災のご加護が得られる神様として伝えられています。
すぐそばの「薬力の滝」は稲荷山で最奥部に位置する源流の滝です。ご神水と言われるこのお水で薬を飲むと、薬効一段と増し、病が治るいう言い伝えが。
薬力社の塚守として「薬力亭」は、参拝信者の皆様に神饌品とご休憩の場所を提供しています。
ご神水でゆでた卵や、本格的な味が楽しめるコーヒーも好評です。
薬力の滝のすぐそばにある「おせき社」。
こちらは咳・のど・声の神様「おせき大神」が祀られており、全国から祈願や御礼状が届けられるポストがあります。
”声”の神様であるからか、芸能関係の方のお参りも多くあるといいます。
【11】眼力社
「薬力社」から「眼力社」までは約10分ほど。眼力社のごく手前、御膳谷奉拝所があります。
御膳谷奉拝所は、三つの峰の渓谷がここに集まって一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰を拝する要の所。ご興味がある方は立ち寄ってみてください。
御膳谷奉拝所を過ぎ、「眼力社」へ。古くから「眼の病が良くなる」「先見の明・眼力を授かる」という御利益があるといわれています。
大きな狐さんの頭の上に乗っているのは宝珠、口に咥えている筒から水が出ています。
人気のお土産「眼力さんの書」。
眼力社を後にして、5分程歩き四ツ辻へと戻ってきました。
四ツ辻~三ツ辻まで引き返し、表札の「ご産場・本殿へ」の方向を目指します。
途中「三宝のおもかる石」があります。こちらのおもかる石でも色々と気づきが得られますよ!
【12】朱 SHU.by Vermillion
四ツ辻~三ツ辻と来て、三宝のおもかる石から徒歩約10分、稲荷山のふもとに当店がございます。
メイドインジャパンの、普段使いに「ちょっといいもの」の他、伏見稲荷大社にちなんだ鳥居のオリジナルグッズが人気です。
Vermillion オリジナル注染手ぬぐいは、汗拭き、物を包むなど万能に使えておすすめ。
朱 SHU.から駅の方面へ徒歩1分の距離に、系列店であるエスプレッソ珈琲専門店、Vermillion-cafe.がございます。
テラス席から八嶋池をのぞみながら、ゆっくりとブランチやスイーツでハイキング疲れをリセットしてはいかがでしょうか。
【13】京阪伏見稲荷駅
朱 SHU.by Vermillionから徒歩約7分で、京阪電車伏見稲荷駅に到着。道中には様々なお店が並ぶので、ぜひ散策を楽しんでみてください!
東福寺駅へは、こちらから3分、祇園四条駅へは9分。アクセスにも便利です。