東京から電車で1時間半、千葉県九十九里浜にほど近い、自然豊かな場所に「Sghr スガハラ」こと菅原工芸硝子の工房があります。
すべての製品が、デザインから製作に至るまで手作り。
独創的で高品質なグラスはひとつひとつがまるでアート作品のようです。
Sghr スガハラの製作工程
私たちが普段手にする完成品の涼しげなグラスの印象とは異なり、その製作工程は真逆の印象。
工房での3000度を超える高温の炉からほとばしる炎の熱。
熟練の技で棒の先端にからむ硝子をしなやかに回し動かしながら形を整えていく姿は、空間を巧みに操るパフォーマンスを見ているかの様。
ガラスはとても繊細です。完成した製品は涼やかに見えますが、約1400度で熱され赤々とした水あめ状のガラスを職人たちはまるで生き物のようだと話します。
ガラスに魅せられ、熟知した彼らだからこそ、その素材を生かしたデザインを見出し日々刻々と変化するガラスの状態を見極めることができるのでしょう。
最終工程までたどり着いた製品の一つ一つを検品し、商品として丁寧に梱包されます。たったひとつの製品に対しても、数多くのかかわる人とその工程があります。
その全てが一貫して「Sghr スガハラ」ブランドの製品を丁寧に作り上げることに繋がっています。ひとつひとつが手作りであることの貴重さを、工房では目の当たりにすることができます。
「Sghr スガハラ」のものづくりに対する姿勢や製造の雰囲気が凝縮されて感じられるムービーです。
【Sghr スガハラ / 菅原工芸硝子 − プロモーションムービー】
みんなで生み出すデザイン
「Sghr スガハラ」では、毎年春先に新商品の発表があります。商品すべて、職人がデザイン、提案、製作まで担うことが基本ですが、時にはショップスタッフからのお客様の意見や、営業からの飲食店の要望が反映されることも。
また、職人は工房でひたすら制作にいそしむだけでなく、新製品発表の際、各店舗でお客様との交流で直にお客様の反応に触れています。
そして、特筆すべきは製作の合間の休憩中でも、職人が自由に炉や道具を使って、新しい技法と経験を生み出す機会を積極的に持っていること。
使う人の声を取り入れて、アイデアを形にしたり、技を磨いたり、職人の主体性や独創性も大切にする社内文化が美しい製品を生み出し続ける秘訣なのかもしれません。
サステナブルな配慮
原材料に鉛を混ぜたクリスタルグラスではなく、「Sghr スガハラ」では石灰を使用したソーダガラス。その為、割れてしまったグラスも再び溶かせばまた形を変え、強度も全く遜色ないグラスに生まれ変わるのです。硝子がサステナブルな素材といわれる所以です。
工房の片隅には色分けされたガラスの破片がストックされ、リサイクルガラスを使用した通常商品もあります。その時々で唯一の色が生まれるので、より特別感を感じられますね。
唯一つとして同じものはない、手仕事の集大成
また、過去に作られた型やサンプルは多数。グラスウェア以外にも、特注製作で例えばチャペルの十字架製作を任されることもあるとか。
更に時を経て、リピートで製作するときに改めて以前作った形と同じように作るにはどうするのか、試行錯誤する場面もあり、そこがコピーではない、全く同じものは作れない手仕事の良さであり大変さでもあるそうです。
職人さんの口からは責任を持って真摯に向き合う思いが感じられます。
九十九里の工房とショップ
「Sghr スガハラ」直営店では新作発表や、職人さんの作品展などの折に、在店されていることもあり、絶好の機会ですので足を運ばれてお話をきくのも楽しいです。
もちろん、九十九里の工房とショップを訪れてみるのもおすすめです。
併設のカフェでは、製品を器として使ったお料理や飲み物が楽しめます。
旅と工芸と、おなかも心も満たしてくれるひとときになるはず。都心からもアクセスしやすいのでプチ旅行にいかがでしょう。「Sghr スガハラ」のホームページをチェックされることをお勧めします。
初夏におすすめ、「Sghr スガハラ」のビアグラス3選
今年は気温が上昇する時期が早く、ゴールデンウィークともなれば夏のような熱気を感じる日もしばしば。
仕事終わりや休日にはSghr スガハラのビア専用グラスで美味しいビールを楽しんでみませんか。 繊細で薄い飲み口は、ビールのうまみを最大限に引き立ててくれます。
Sghr スガハラ ザ・ビアー:likka リッカ
世界に認められたクラフトビール、COEDO。 そのコンセプト“Beer Beautiful”に共感したSghr スガハラと、COEDOのコラボレーションで生み出されたグラス。ビールの様々な特徴を、絶妙に引き出すビアグラスです。
特徴は斜めにカットされた飲み口。「同じビールで2種類の味わいを楽しんで欲しい」という、職人さんの「想い」が込められているのです。
口元の高い方から飲むと、あまり首を傾けずに流れ込むビールの味をそのまま感じられ、喉越しを楽しめます。逆の低い方から飲むと、鼻をガラスが覆うので、芳醇な香りをゆっくりと味わうことができます。
Sghr スガハラ ザ・ビアー:nido ニド
上に同じく、COEDOとのコラボレーションで生み出されたグラス。
厚さおよそ1mmの薄さで均一に仕上げられたグラスは、まさに熟練の技が光る逸品。その口当たりと、手にしっくり馴染むスタイリッシュなフォルムが、さらにビールを美味しくさせます。
黒ビールもとっても似合うグラス。ビール以外にもお好みのドリンクで、至福の時間をおたのしみください。
Sghr スガハラ 富士山グラス
ビールを注ぐと黄金に輝く富士山が現れます。
世界に誇る日本の美の象徴、富士山。 そんな日本一の景色を卓上で愛でながらの晩酌は格別です。